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和食の秘密 -和食のさしすせそ-

和食の秘密 -和食のさしすせそ-

【煮物について♪さしすせその科学的根拠】

伊勢すえよし店主、田中佑樹と申します。
物心つく前から和食の世界に足を踏み入れ20年以上経ちました。
和食と毎日向き合っていると、和食の奥深さに気づかされることが多々あります。
今回は「和食のさしすせそ」についてお話させていただきます。

突然ですが、料理のさしすせそ全部言えますか?料理をする方なら知っている方も多いはず!
答えは→
砂糖、塩、酢、醤油、味噌ですね。これは煮物における、調味料を入れる順番を表しています。
この順番にきちんとした理由があるのをご存知でしょうか?
簡単に説明するとさしすせその順番に調味料を加えていくと(特に煮物で)良いとされています。

それはなぜか?

先ずあまり知られていませんが分子の大きさがちがいます。砂糖が一番大きい分子です。
なんと塩・醤油の6倍くらいの大きさだそうです。
例えば塩から味を入れてしまうと砂糖の味が中まで入りません。

想像してください。コップの中にピンポン玉と、細かい砂を入れようと思います。


先に砂をコップに満杯いれるとピンポン玉は入りますか?


では順番を逆にして、空のコップにピンポン玉を先に満杯入れたあと、砂は入りますか?



そうです。後者の方ならピンポン玉の隙間をぬって砂が入っていきます。

ピンポン玉を砂糖、砂を塩に置き換えて考えてみましょう。
どちらも満タンにコップにいれたいならピンポン玉(砂糖)から入れる方が理にかなってますよね?
 

さしすせその順番においてもう一つ大事なのは香りや風味を損なわないようにする事です。
味噌、醤油は特に塩分、旨味だけでなく香りも楽しむ調味料です。
とくにお味噌汁なんかは沸かさない事が基本と言われてますが、理由は風味や香りを飛ばさないためですね。

という理由なのですが、さしすせその順番については理解して頂けましたでしょうか?


さて、ここで問題です!!
酒、味醂はいつ入れれば良いのでしょう?

答えは砂糖より前です。もしくは砂糖と同じタイミングです。
理由は、酒、味醂で違います。特性も含めて説明します。

酒→
酒は食材の臭みなどをアルコールと共に蒸発させてくれるという効果と、煮物の沸点を下げて肉や魚の身をふっくらと仕上げる効果があります。酒をいれる量にもよりますが、沸点を5度くらい下げる事ができます。すると95度くらいで火入れをする事ができます。
肉や魚を煮る温度を下げることで、身のパサつきを防ぐことが出来るようになるのです。
さらに、酒は旨味も持っているし、さらにアルコール分を煮切ると甘みにかわります。酒は沸点を下げながら調味する魔法の水とも言えるかもしれません。
この素晴らしい魔法の水=酒ですが、アルコール分が残ったまま調理が終了してしまうと、変な酒感が料理に残ってしまい、違和感が半端なく残ってしまうというデメリットも存在します。そのためアルコール分を残さないためにも最初に入れておくのが良いでしょう。あと食材の臭みは初期段階で取り除いておかないと煮汁に溶け込んでしまうので、その点からしても、お酒は最初に入れることをおすすめします。
 

味醂→
味醂は非常に説明が難しいのですが、簡単に説明すると、酒の特性を持った甘味調味料です。アルコール度数は酒とほぼ同じで、同じように臭みを取り除く効果と沸点をコントロールできる効果があるのですが、それに加えて食材の煮崩れを防ぐ効果と、全体にテリを付ける効果があります。
これらの効果のどの部分を意識するかというポイントで料理人によっても入れるタイミングに個人差が出るものでもありますが、基本的には最初から、もしくは砂糖と同じタイミングが良いと思います。ただ、味醂には煮崩れさせない効果=食材を引き締める効果があるため、柔らかく煮上げたい時はこの限りではありません。この場合と料理にテリを付ける事が目的の場合は、調理の後半に入れるのが良いでしょう。しかし、酒と同様、アルコール分を残して仕上げるとイマイチな感じになってしまいます。
 

ちなみに灰汁を引くという作業がありますが、僕の場合は酒と水もしくは出汁だけ入れた状態でしっかりと沸かしてしっかりと灰汁を引いてから、味醂・砂糖の調味料をいらています。ご参考まで。
 

まとめ→
煮物、調味の順番
酒→灰汁引き→味醂・さ→し→す→せ→そ

以上で本日の授業は終了です。どうでもいいうんちくでも、知っておくと料理が楽しくなってきます♪
こんな科学的根拠に基づいた調理法を、100年以上も昔の人達は感覚的・経験値的に理解して実践して、今でも誰でも知っている言葉として後世に残していたという所に尊敬をせざるを得ませんね!

2016-12-08 18:03:29

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